2010年10月13日水曜日

DAITARN 3

全体の出来デキとしては?イマイチ。 DAITARN 3

製作年で見ると Gundam と差がないんだけど、両作品の間にはそれ以上の差があります。
Super Robot War α シリーズでの G の扱いが、『ダイターン3』の評価に下げてます。

でもね、やっぱり fruit 甘い。

大人のテイストに満ちた話は、イイ。



以下、最終話の痺れる点を列挙する。


1、出撃する万丈の後ろ姿を見送るレイカとビューティのセリフ。

「見納めね」
「未練よ」

簡潔なセリフ自体もいいが、「未練よ」を言うのが日頃は頭の軽そうなビューティというのも良い。

普段の感じから言ったら、セリフの担当が逆な感じしません?


2、力の入っている最終決戦の作画。

絵の知識が全くないぼくにも、描き手の情熱が伝わってきます。

突然、背景が白くなる大胆なシーンも。


3、「ひょっとしたら万丈自身がメガノイドではないのか?」 という疑問を、結局匂わせたまま終える「粋」。

全部ペラペラ喋ってしまう無粋とは無縁です。



4、万丈最後のセリフ「ぼくは、いやだ…」

謎めいた・よく分からないセリフでありながら、全てを否定する力強さに満ちたセリフ。

まあ、普通に考えたら「メガノイドであること」の否定なんでしょうが、どこか哀しみや諦観を帯びている鈴置さんの演技ともあいまって、非常に印象深い一言になっています。


5、アッサリとした万丈チームの解散。

ボスである万丈の帰還を待たず、共に闘ってきた戦友とのあまりに淡々とした別れ。

レイカは「仕方ないでしょ、住む世界が違うんだから」とカンタンに部屋を出て行く。ビューティもそんなレイカに文句を言いつつ、迎えの車に乗り込むと何の感慨も見せずに朝食の心配を始める。

みんな、宴が終ったことを承知しているのだ。

その淡々とした、しかししっかりとした解散劇を描く送り手の姿勢は、例えば「高校を卒業しても(各家の事情も学力も全く無視して)大学でも4人一緒!」的な、オタクのクソ妄想に媚びた・モラルの欠けた制作者の姿勢とは対極をなすものです。

そして、ジメジメしたお涙頂戴とも、一切無縁な別れ。


6、ラストシーン。

ギャリソンが鍵を掛けて去り、万丈邸は空き家になる。

夜が空け始めて、日輪がのぼってくる。

右端の部屋だけ明るいのは、陽が差し込んでいるからなのか、それとも屋敷の主が帰還したのか。

それも分からぬまま、物語は幕を閉じる。


描写の過不足ない、見事なラストシーンだな、と改めて思った。


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